お土産のお菓子で読み解く、長野
地元や今住んでいる場所のお土産売り場をじっくりと見たことはありますか?
長野出身の私は、東京に住み始めてから、帰省のたびに地元・長野のお土産売り場をよく見るようになりました。
お土産売り場に並ぶ商品を見てみると、そこには地域の特徴がぎゅっと詰まっています。
今回は私の地元、長野のお土産売り場で見つけた「お菓子」から見えてくる「長野らしさ」についてご紹介します。
特産物から見えてくるもの

長野の特産物といえば、りんごやぶどう、そばを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
お土産売り場にはこうした特産物を使ったお菓子が数多く並んでいます。
長野は、標高が高く、昼夜の寒暖差が大きく、日照時間が長いという特徴があります。このような気候を生かした特産物の栽培が多く行われています。
実際、長野の夏は、朝晩は涼しいのですが昼間はとても暑いという日が多くあります。
また、長野県中部・南部の日照時間の平均は瀬戸内海に並ぶほど長いとも言われています。県外から来た友人に「雨の日が少ない気がする」と言われたことを思い出します。

さらにお土産売り場を見てみると、くるみやあんず、栗などを使ったお菓子も多く見られます。
くるみやあんずの長野県の生産量は国内トップクラスですが、あまり知られていないかもしれません。
小布施の栗は江戸時代に幕府へも献上されていた歴史をもち、千曲市のあんずは元禄時代、伊予宇和島藩主の娘、豊姫が持ち込んだ種が始まりと伝えられています。お菓子をきっかけに、その土地の歴史にも触れることができます。

モチーフから見えてくるもの

お土産売り場には、自然豊かな長野ならではモチーフを取り入れたお菓子も並んでいます。
動植物では、県鳥でもある雷鳥や、県木の白樺などがモチーフとして使われています。
雷鳥は国の天然記念物にも指定され、南北アルプスなど標高2400m以上の岩石地帯に生息する鳥です。季節によって体の色が変わる特徴があり、同じ雷鳥をモチーフにしたお菓子でもパッケージに描かれている雷鳥はそれぞれです。
白樺は寒冷地に分布する広葉樹で、白い木肌が特徴です。地域によっては、お盆の迎え火、送り火に白樺の皮を焚く風習があります。
他にも長野県らしいモチーフとして建造物を使ったものがあります。
全国的に有名なお寺やお城などがその例です。
中にはお城自体ではなく、石垣をモチーフにしたものや、建物の一部を切り取って表現したものがあり、その視点の面白さに気付かされます。
さらに山や川など自然の風景をモチーフにしたものも目にします。
長野には多くの山がありますが、どれが何という名前なのか知る機会は少ないと思います。
お菓子という形になることで、「どの山のことだろう」と興味を持つきっかけとなり、他の山との違いが見えてくるような気がします。
最後に
初めて訪れた所でお土産を見るとき「なぜこの食材を使ったお菓子が多いのだろう?」「モチーフにはどんな意味があるのだろう?」と少しだけ気にしてみると、その土地についての理解がさらに深まると思っています。
旅先だけでなく自分の住んでいる地域のお土産にも目を向けると新しい発見があるかもしれません。
デザイナー K.R.